川の安全とルール > 大人のページ


澤井 健二
摂南大学教授

 川遊びに絶対に守ってほしい3つのポイント

(1)

「川は生きている。」
あるとき、ある場所で安全だからといって、川はいつでもどこでも安全とは限りません。

 

(2)

「備えあれば憂いなし?」「備えあっても憂いあり?」
川のことをよく知り、万全の備えをしたからといって、はたして川は安全でしょうか。備えをすることによって確かに安全度は上がりますが、危険性を完全になくすことはできません。決して油断せず、常に謙虚に川に接しましょう。

 

(3)

「無理をしない。」
限られた時日で多くのことをこなそうとすると、ついつい無理をしがちです。目一杯行動するのでなく、余裕をもったスケジュールで動きましょう。


 キャンプを中心とする川遊びの安全について

・ 天気は?
 キャンプをするときは、その場その時の天候に注意するのはもちろんですが、それだけで安全を判断してはいけません。そこを去るまでの間に生じるであろう状態の変化を予想して、余裕のある計画を立てねばなりません。

 その第1は気象情報の収集です。テレビやラジオ、新聞の天気予報等によって事前 に気象情報をキャッチしておくのはもちろんですが、キャンプのように行動が長時間 に及ぶ場合には、行動中にも気象情報をキャッチし、その変化を把握することが重要 です。それには、ラジオ等の天気予報が有力ですが、携帯電話があれば得たい時に情 報が得られ、一層安心です。ただ、電波状態の悪いところでは電話やラジオは途絶え ることがありますから、自分の器具がどこで使用できるかについて予め把握しておき ましょう。

・ 河川の事前調査を!
 キャンプを計画する時には、まず、そのキャンプ地についての情報を文献や聞き取りによってなるべく広く集めます。次に、地形図(できれば2万5千分の一程度以上の精度のもの)で、その位 置や周囲の状況(谷、道、崖、ダム、連絡所等)を調べます。

 さらにできればキャンプをする前に一度下見をしておくと、万が一の場合の避難場所や避難路が把握できて安心です。できれば誰かその場所の経験者に付き添ってもらって案内してもらうのがよいでしょう。周囲の転石や落石、崖などの危険箇所についても調べておくことが重要です。
 上流にダムがある場合には、その容量、距離等についても調べておく必要がありま す。

・ 安全への配慮における役割分担の徹底
 グループで行動する場合には役割分担の徹底が重要です。あそこはあの人がやってくれるから多分大丈夫だろうという憶測は禁物です。「・・・さん、そこの安全は確認していただけましたか?」と声をかけあっ安全を確かめましょう。
 特に、見張り役は重要です。ただ見張っているだけでは不十分で、異常を見つけたらまず皆にそのことを知らせねばなりません。異常がなくても定期的に点検結果 を報告する習慣をつけておくと、一層安心です。

 さらに連絡役、救護役、判断役など予め役割分担を決めておき、各自が自分の役割だけでなく、誰が何を受け持っているかを知っておくことが重要です。

・ 天気の急変時の対処について
 キャンプ地では天気の急変することがよくあります。この時、小雨程度であれば、カッパを着たり、テントの中に入って雨の止むのを待てばよいでしょうが、本降りになると、場所を移動しなくてはなりません。

 この場合、どちらに向かって移動するかが重大な選択です。もはや当分天気の回復が見込めず、引き返す場合でも、緊急避難場所が近くにあることを念頭に入れておくことが重要です。その点、谷筋を下りるのは水が集まって来たときに逃げ場がなくなって危険です。どちらかと言えば尾根筋を歩く方が安全であると言えますが、風雨の強い時に尾根筋を歩くのは楽ではありません。

 また、落雷の危険もあります。落雷の危険がある時には、大きな木の真下は避け、木の高さの数倍程度離れたとこで、尖った金属は身から離し、できるだけ低い姿勢で待機するのが安全です。
 万が一、土石流に出くわした時は、どちらに逃げるのが賢明でしょうか。原則的に は谷の上流側でも下流側でもなく、谷筋に直角に尾根の方へ逃れるのが賢明です。通 常の増水の場合には少しでも高い位置に避難するのが賢明ですが、崖崩れの危険のあ るところは避けなければなりません。

・ 臨機応変の計画変更
 事前に計画を立て、できるだけそれに沿って行動することは重要ですが、計画に振り回されてはいけません。特に進行が遅れ気味の場合、無理をしてそれを取り戻そうとすると、安全面 がおろそかになりがちです。時と場合によっては計画の一部を切り上げて、中断したり中止する判断も重要です。
  そのような非常事態の発生をも選択枝に入れた計画が立てられていることが最良ですが、非常事態の中には、予め想定していなかったことがあるかもしれません。そのような場合でも決して慌てず、冷静さを失わず、かつ迅速に行動しましょう。しかし、非常時に適切な行動がとれるということも、普段の備えがあってこそできるものなのです。